無断転載しただけなのに

2/21
前へ
/21ページ
次へ
 小水と名乗る女性を信じることができず、明音は照りつける太陽のもとでローファーを一歩後ろへとさげた。 「お母さんとは看護学校時代からの友達で、あなたのこともよく聞いてる。覚えてないかもしれないけど、あなたが小さい時に会ったこともあるのよ」  明音の母は確かに看護師だ。看護学校で生涯の友を得たという話も、以前に聞いたような気がする。きっと、この人のことなんだろう。  明音はようやくホッとして後部座席のドアに手をかけた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加