花火が咲いた夜、君と見た景色~慶都side~

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「ああ、会いたい。いつか、あいつに会って話をするのが楽しみなんだ」 「必ず会えます。会った時に、たくさんたくさん話して下さいね」 「そうだな、ありがとう。彩葉は本当に優しいな」 君を好きになれて、君が側にいてくれて…… そして今、全て話せたことで、俺が抱えていた苦悩はスっと消えていった。 いつか必ず弟に会える、彩葉の言葉で、それは確信に変わった。 「慶都さんには、いつも笑顔でいてほしいです」 「笑顔……ずっと忘れてたよ。さっきみたいに心から笑うことを。そんな当たり前のことを思い出させてくれた君には感謝しかない」 「慶都さん……」 「彩葉を好きになれて本当に良かったと思ってる。海外にいる間も、他の誰にも目移りすることなく、ただ君を一途に想ってた」 この気持ち、全て君に届けばいいのに…… いったい、どういう言葉で伝えればいいんだろうか? あまり恋愛をしてこなかったからか、自分の語彙力の乏しさにもどかしくなる。 こればかりは、どんなにテストの点数が良くても意味が無いようだ。
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