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入学式ですよ。一匹狼くん
私立紅学園。絶海の孤島に建つお金持ちがばかりが通うエスカレーター式、全寮制男子校。ここまでくれば、皆様ならお分かりでしょう。そうここは通称王道学園だ。じゃあこの物語の主人公は王道転校生か。と聞かれればそうではない。じゃあ誰だよ。と思うよね?それはね…教えてやんないwさて、茶番はさておいて、まずは入学式だ。覗いてみようではないか。
「生徒会、代表挨拶。」
「「「「「きゃーっ」」」」
「おうおう元気だな。お前ら。少し黙れ。」
しーん…
「よし。いい子だ。さて皆分かっているだろうが改めてここ紅学園の生徒会長皇 黒羽だ。俺の言うことには従え。さもなくば…分かっているだろうな。」
「「「きゃーっ俺さまな会長様素敵ー」」」
「さもなくばどうなるんだ?」
「しっ‼︎黙っていろ。」
「静粛に」
副会長の言葉で辺りはしーんと静まりかえる。
「これにて、入学式の全てを終了します。新入生の皆さん、本日は本当におめでとうございます。在校生の皆さんは教室に、新入生の皆さんはこの後クラス分けを聞いて各教室に向かってください。では解散。」
副会長の言葉で各自移動を始めた。俺も舞台袖から講堂の裏へと抜ける。
────そのまま生徒会室に戻ろうとして…足を止めた。
おそらく一年。植え込みに突っ伏して寝ている生徒がいる。横には酒の空き缶。…驚いた。入学式早々というか入学式にも出ずに堂々と酒を飲んで爆睡しているとは。それもこんな場所で。観察というか驚いて、声も出せずにいると、その生徒が少し呻いて、目を開けた。俺を確認するなり、悪びれもせずに
「なんすか。」と尋ねて寄越した。…しばらく応えられなかった。
すると生徒は諦めた…のか?俺を無視して立ち上がり立ち去ろうとした。慌ててそいつを引きとめ、(実際に袖を引いてとめた。)
「名は。」
と尋ねた。…実際何も出てこなかったのだ。ちなみに持ち上がり組は新入生だろうが顔と名前を全て覚えている。なのでこいつは外部生だ。彼は少し黙った後、
「そっちから名乗るんが礼儀やろ。」
と聞きなれない方言を交えて言った。
────ので…少しイラっときて「俺を知らないだと。」と凄んでみせた。(まあ外部生なら仕方がないのだが、一応俺にだって自尊心がある。一応凄んでおくことも大事だろう。いや側から見たら何厨二病迎えとんねんと思われるかもしれないが。)
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