食堂イベですよ。一匹狼くん

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黒瀬 慎side  昼寝から覚めると、というかこちとら気持ちよく寝ていたのに、仰向けにされたことで、眩しくて目が覚めた。とまた美形かよ。銀に近い白髪の切長な目の、眼鏡をかけた美形さん。「おそよう。」と声をかけられた。なんだおそようって「お、そよう?」と思わず反復すると笑われた。眩しいわ。お前美形って自覚あるか?思わずというか、「なんなんすか。誰。」と聞くと昨日の会長と同じ、「なんなんすかはこっちの科白ですよ。」という言葉から始まり、説教じみたことを言われた。ので、じゃあ別の場所でサボろうと思い立ちあがると、くんと袖を引かれた。「私は生徒会役員なので授業免除がつくんですよ。それより君の名は。」と俺の先輩も同じことが言えるんじゃ的な言葉に律儀に応えたあと某映画のタイトルのような、聞かれ方をした。ので、昨日と同じように、そっちから名乗れや。的なことを言う。すると、会長と違って…いや会長も似たようなものだったか。立場がどうこう言い出した。俺が言うのもなんだが素直じゃねー。じゃあいいわ。別にお前の名前なんぞ知りたくねー。「ああ。じゃあいいです。教室行くんで離してください。」と言ってそのまま、立ち去ろうとした。…したのだ。が、もう一度さっきより強い力で引っ張られる。なんなんだよ。と言う思いを目一杯込めて相手を見ると、「送ります。」などと言いやがった。勘弁してくれ。教室くらい一人で行けるわ。行かんけど。「教室くらい一人で行けますよ。」的なことを伝えると、ため息をついて歩き出す美形さん。えっ俺の意志は。引っ張るなや。そんなこんなで、Sクラスに行くのかと思ったら、2階に上がったのにもう1階分上がろうとするから、慌てて止めたら「君のクラスですよ。Fでしょう。」と言われた。いや俺Sっすと正直にと言うのもおかしいが言うと驚いた顔をしたあと「失礼しました。では参りましょう。」と当然のように踵を返す。その間袖はひっ掴まれたままだ。痛くはないけど伸びる…とまあそんなんで教室にぶち込まれた俺。逃げ出すこともできずに、大人しくクソホストの授業を聞くともなしに聞いた。なんか知らんけど、ちょー分かりやすかった。ホスト教師の授業が終われば昼飯だ。食堂…どこだ。一度行けば容易に覚えられるが、地図を見ていないので分からない。人の波に乗ったら行けるか。ということで、着いたぞ。食堂。えっなんもないんかって?なんもないわ。さてさてぼっち飯です。
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