1人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は公園のベンチに腰掛けている。
織姫の手には直方体の小箱。
ホテルを出てからコンビニに立ち寄り、購入したプレッツェルである。
「ねえ、彦星さん」
「何だい?」
織姫は小箱から一本のプレッツェルを取り出した。
プレッツェルはスティック状で細長い。
織姫は、それを彦星の口に近づけ、軽く挿した。
「ん」
織姫は、すかさずプレッツェルの端、彦星とは反対側の方を口にする。
プレッツェルを噛みながら顔を彦星の方に近づけていく。
彦星もまた同様に顔を織姫の方に近づけていく。
やがて二人の唇が軽く触れ合った。
織姫は優しく微笑む。
彦星もまた同様に微笑む。
二人の周囲には幸せに満ちあふれた空気が漂っていた。
最初のコメントを投稿しよう!