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好きな星の話をしよう
好きな星の話をしよう。
貴方が、そう言ったことはなかった、
僕らが話していたのは星のことばかりだった。
思い出していた、君の文字。
貴方が、君に降格して、落ちていったこと。
僕らの中の銀河・宇宙を、信じること、
終わりを信じないこと。よく似ていた。
散り散りになること、紙吹雪を感じていた、
ぼくだけだろうか。
晴れ間は君には、似合わない。
雪だ。
冬が似合う、雪のひと。溶けないでいて。
未だ、紙切れにはならないで、居て。
変わったと言われるのが苦痛だった、ただ君に認めてほしかった、
君の、君の特別だったあの頃と、何も変わっていない、と君のこと、
否定してでも伝えたかった、あの頃のぼくならきっと、しないこと。
人生、語るには重すぎるから。
君の近況を、文字で知る。想いの形は変わってしまって、変わらないことを望んでいた。
特別、生臭くない、特別。貴方との関係はいつでも、そう、だった。
君ともう少し、近しい関係だったなら、別れに怯えることなんてなかっただろうに。
君ともう少し、縁遠い関係だったなら、別れを容易く告げられた、だろうに。
君のこと、なんて知らなきゃ良かった、水槽を覗き込む、君だけを覚えている。
これ以上、大人になりたくない、溶けてしまう、ぼくだけの、ぼくだけの、雪が。
夏の大三角形なんて見たくもないし、蝉の音なんて聴きたくない。梅雨に打たれる君なんて、見たくもない。
からだの中に銀河を飼ったままでいて。土に汚れないでいて。
いつまでもぼくは君に理想を見るのを止められない、
本当の君なんて知らない、綺麗な君しか、知らない。
いつだって特別だ。いつだって。
痛い、ほどに。
痛みを感じるのも。
生臭い特別はいつだってぼくを引き戻す、血液に足を浸す為に必要。
過去に縋っていたいんだ、ぼくは井戸の中に。
黄昏を見るまで、
君といられるだろうか。
もう、終わってもいいのだ。そう。揺蕩っている。
数字の一部になる前に、削った欠片を、君を通して伝えたかった。
生臭くない、特別。
手紙。
黄昏が迎えに来るまで。
好きな星の話をしよう。
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