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タイプとかタイプじゃないとか、そんな次元はとっくに超えている。
彼は、イケメン界の頂点に君臨すると言ってもけっして過言ではない、神がかった美貌の持ち主だった。
「はじめまして」
目の前の“異次元イケメン”はわたしに手を差しのべた。
夢見心地のまま、わたしはその温かくて大きな手を握っていた。
そして、軽く握り返されたとき、頬が紅潮していくのをはっきりと意識していた。
「さ、どうぞこちらへ」
促されて腰を下ろしたソファーは、これまで坐った椅子はすべて石でてきていたんじゃないかと思うほど、坐り心地の良いものだった。
「失礼します」
さきほどの黒パンツスーツの女性がコーヒーを持ってきてくれた。
「あ、ありがとうございます」
正面に坐っている芹澤さんはコーヒーを一口すすり、改めてわたしに目を向けた。
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