第2章 麗しき副社長

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「申し訳ないが、あまり時間がないので、単刀直入に用件に入らせてください」 「は、はい」  そうだ。まだここに呼ばれた理由を聞いてない。  彼の魅力が圧倒的すぎて、すっかり忘れていた。  ヤバい。  今は、その窓から飛び降りてと言われても「はい」と答えてしまいそうだ。 「実は……」 彼は一瞬、間を置いてから、まったく予想外の言葉をのたまった。 「あなたに、ぼくの“恋人”になっていただきたい」  へっ?  え、ええっ、 恋人??  なんで???  なんで、見ず知らずのイケメン大王にいきなり求愛されるの?  ど、どゆこと?  わたしは思わずコーヒーを吹き出しそうになり、あわてて飲みこんだ。  驚いて目を白黒させているわたしを面白そうな顔をして眺めながら 「もちろん、恋人といっても、〝フリ〟をしてほしいって話ですがね」 「そ、そりゃ、そうですよね。ああ、びっくりした」
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