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天上まで高さがある重厚な造りの木製の自動ドアを抜け、高級ホテルのロビーのようなエントランスを通り抜けるとコンシェルジュカウンターがあった。
「芹澤様、お帰りなさいませ」
「何か届いてる?」
「はい、こちらです」
コンシェルジュの男性(この人もかなりの高レベル。もちろん、芹澤さんの足元にも及ばないけど」から郵便物を受け取り、生体認証キーがついたエレベーターで5階まで上がる。
エレベーターの扉が開くと、そこはもう部屋に通じるアプローチ。
このエレベーターは彼の部屋専用ということらしい。
「さ、どうぞ」
「おじゃまします」
シューズ・イン・クローゼットでスリッパに履きかえ、ダウンライトが灯った明るい廊下を抜け、リビングへ。
扉が開いた瞬間、思わずポカンと口を開けてしまった。
なんなの、ここ。
本当に個人宅なの?
こんなゴージャスなリビングルーム、今まで見たことがない。
テレビで、海外セレブのお宅拝見とかやってるけど、その部屋に充分に匹敵する。
いや、それ以上かも。
無理―――っ!
やっぱり無理だ。
この人の恋人役なんて。
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