第2章 麗しき副社長

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 おおかた、その政治家のお嬢さんも、彼の容姿に参ってしまい、父親に結婚をねだったってところだろう。  この瞳で見つめられて普通でいられる女性は、そういないと思う。 「そしたら、ちゃんといた。来栖エリカ。E・Kでしょう。きみのイニシャル」 「はあ、占い……で」  それが、選ばれた理由?  それだけで?  はーと、大きなため息を漏らしてしまった。  やっぱり、大富豪の御曹司の思考回路なんて、庶民で凡人のわたしにはさっぱり理解できない。 「でも、それなら、そんな偽装なんかしないで、本物の彼女を占いで探してもらって、そのパーティーに連れていけばいいのでは?」    彼はかぶりを振った。
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