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おおかた、その政治家のお嬢さんも、彼の容姿に参ってしまい、父親に結婚をねだったってところだろう。
この瞳で見つめられて普通でいられる女性は、そういないと思う。
「そしたら、ちゃんといた。来栖エリカ。E・Kでしょう。きみのイニシャル」
「はあ、占い……で」
それが、選ばれた理由?
それだけで?
はーと、大きなため息を漏らしてしまった。
やっぱり、大富豪の御曹司の思考回路なんて、庶民で凡人のわたしにはさっぱり理解できない。
「でも、それなら、そんな偽装なんかしないで、本物の彼女を占いで探してもらって、そのパーティーに連れていけばいいのでは?」
彼はかぶりを振った。
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