第2章 麗しき副社長

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「いや、パートナーは自分の手で見つけたいんだよ。一生の問題だからね。もちろん、今までに付き合った人は何人かいたけど、生涯を共にしたいほどの相手とは、残念ながらまだ出会っていないんだ。だから、どうしても今回の縁談は破談にしたい」  こんな好条件のイケメン、世の女性が放っておくはずがない。  その気になれば、今日、明日中にでも日本中の妙齢の女性たちが群れを成しそうだけど。  わざわざ、こんな面倒な偽装工作をしてまで、自分でパートナーを見つけたいなんて、この人、ものすごく理想が高いのかな。  それとも、心に決めた人がいるけど、何か理由があって結婚が難しいとか。  うん。そっちのほうがありえるかも。   「じゃあ、今からでも、ご自身で本物の伴侶を見つければいいのでは……」  わたしは、なんとか彼に依頼を取り下げてもらおうと食い下がった。
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