第1章 怪しげな依頼

8/18
前へ
/198ページ
次へ
「はい、留守電聞いたので」 「うん。ちょっと変わった案件なんだけどさ、まあ、こっち来てよ」  酒井さんは所長席の隣の椅子を指さした。 「えーと、どこやったっけ」  そう言いながら、デスクの上を占領している書類をあれこれ探って、ようやく一通の茶封筒を見つけだした。 「あっ、これだ、これだ。あのさ。ある人からの依頼で、これから2カ月ほど、住み込みで働いてほしいんだけど」  住み込み? なんじゃ、そりゃ?  ここは家政婦事務所じゃなかったはずだけど。 「あの、話がまったく見えないんですけど」 「そりゃそうだよね。おれもさ、詳しくことはよくわかんないんだけどさ」 「えっ、詳細も聞かずに話を受けたんですか?」
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1207人が本棚に入れています
本棚に追加