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さくらには、血流操作の能力でもあったんじゃないかと疑うが、そんなわけはない。
これはまずい。非常によろしくない展開だ。どうにかして回避しないと。
「そ、それってほんとに恋なのか?」
僕は極めて冷静さを装いながら聞いた。心臓が口から飛び出しそうだ。頼む、どうか違うと言ってくれ。
「うん、ただのあこがれかも……」みたいな、
「初めてのことでよくわからない」とか、曖昧な答えをしてみてくれ。僕の切なる願いも虚しく、妹は照れ臭そうに小さくこくんと首を縦に振った。
終わった。僕の青春は終わりました。ありがとうございました。
僕は膝の上でぎゅっと拳を握った。
掌に爪が食い込んでじんわりとした痛みが広がる。だが今はそれがありがたい。余計なことを考えないようにするためにはちょうどいいくらいの痛みだった。
そんなことより問題なのは相手の奴だ。一体どこのどいつが僕の可愛いさくらを奪ったっていうんだ⁉︎
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