17 愛と友情の芽生え(1)

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17 愛と友情の芽生え(1)

カイトのバイト先。 閉店時間となり、店から出たところでちょうど来客があった。 すらっとした長身の男で、おしゃれな身なり。 小顔で清潔感のある綺麗な顔のつくり。 恐らく相当なイケメンなのだろうが、サングラスで顔を隠している。 「お前がカイトか?」 「誰だ? ん、あんた、何処かで見た事があるな」 カイトは怪訝そうに眉間にシワを寄せた。 その男は、サングラスを外し素顔をさらした。 やはり涼しげな表情のイケメンであった。 「オレはソラ。名前ぐらいは聞いた事あるだろ?」 「ああ、悪りぃ。やっぱり、知らねぇわ」 「はぁ……これでもアイドルやって長いのだが……テレビには割と出てた方だし、ミュージカルでは主役を張る事が多い……それでもこんな知名度とは、へこむなぁ」 「まぁ……気を落とす事はねぇよ。俺はテレビ見ないしそっちの業界は疎いんで。で、その大物アイドル様が俺に何の用だ?」 二人は場所を移した。 高級ホテルのラウンジで酒を注文した。 カイトは、ソラの奢りだというのでノコノコ付いて来たのだが、なるほど大物アイドルっていうのは本当らしい、という事をようやく理解した。 そして、本題であるソラの用事というのを聞かされ、驚きの声を上げた。 「俺に曲を作ってプロデュースしろだと? マジで言ってんのか?」 「ああ、そうだ」 「ぷっはははは! 無理だな。俺は、見ての通り場末のミュージシャン。あんたみたいなキラキラしている人間とは別世界の人間だ。自分の周りで探した方がいい」 ソラは、ふん、とあごを突き出し、グラスを揺らしながら言った。 「音楽に上も下もない。いいか悪いかだけだ」 「な……」 「これはオレが尊敬する人の言葉だが、オレもその通りだと思ってる」 「い、言ってくれるじゃねぇかよ! ああ、その通りだ!」 ソラは、ムキになったカイトに見て、ほくそ笑んだ。 ソラは続ける。 「正直、オレはあんたの事はよく知らない。しかし、そのオレが尊敬する人がお前の元に行けと言った。だからオレはお前の力を信じるし、お前をどうしても頼りたい。頼む、オレの力になってくれ」 ソラは頭を下げた。 カイトは、一瞬険しい表情を見せたが、すぐに顔を緩めた。 「ふっ、何処の誰だかしらねぇが、ずいぶんと俺を買ってくれるじゃねぇか。分かった、いいぜ」 「では……」 「勘違いするんじゃねぇよ。俺だってあんたの実力を知りたい。その後で決めるのではダメか?」 「ふっ、そういう事か。それはオレも望むところだ。いいぜ、やろうじゃないか、男同士の語らいを!」 **** そのままホテルの一室を取った二人。 ベッドを前に対峙した。 今日、初めて会った男同士。互いに牽制の目を向ける。 二人は、しっかりとその目で見定めろ。そう言わんばかりに、服をバサッと脱ぎ捨てた。 あらわになった男の体。 カイトは、浅黒い肌で筋肉質。言わば格闘家タイプの体型。 一方、ソラは、色白で細マッチョ。アスリート系の身体つき。 タイプこそは違うが、どちらも男らしく魅力的な肉体である。 互いの体を意識しつつ、一歩一歩近づく。 そして、隆々と勃起した股間のモノ同士が触れた瞬間、二人ともニヤッと意味深に微笑んだ。 我慢汁で濡れた先端が、ぬるぬると糸を引きながら擦れ合い、互いの固さを確認していく。 初顔合わせの剣術の試合のつばぜり合いと同じく、まずは様子見と言ったところ。 まさに、これが、これから始まる男の語らいという真剣勝負の幕開けだった。 まずは、ソラのターン。 ソラは、仰向けに寝転ぶカイトの上に騎乗位でのしかかった。 フル勃起したカイトのモノを自分のアナルにあてがい、ミシミシと腰を沈めていく。 ずっぽりと根元まで入り切ると、すぐに妖艶な腰の動きで男根から噴き出す愛の蜜を搾り始めた。 局部への攻め。 それと同時に、ソラの両手の指先は、カイトの胸板を縦横無人に這いまわり、乳首には特に重点的に唇と舌先の愛撫が繰り広げられた。 カイトは、堪らずに声を上げた。 「な、何だこのセックス……ねっとりとしたいやらしさ……ああっ……」 「ふふふ、変な声出てるぞお前……」 「うっ、うるせぇ……ううっ、乳首がヒリヒリしてなんて痛気持ちいいんだ……なんだこれ……本当に俺の乳首か?」 「れろれろ……お前の体は開発しがいがあるな……綺麗なピンク色の乳首……生娘のようだ……ほら、ずいぶん勃ってきたぞ? チンコみたいだぜ」 「て、てめぇ! あっ……あん……」 ソラは、カイトの反応に満足しつつも、今度は自分の下腹部に収まったぶっとくてカチカチのモノに意識を向けた。 手を後ろに回し柔らかい袋の部分を揉みしだきながら、腰の動きを早めていく。 カイトは敏感に反応した。 初めてセックスをするかのようなウブな反応。 ソラは、カイトを上から見下ろしながら煽る。 「こっちは我慢汁がだいぶ出てるみたいだな……オレの腹の中に熱いのが染み出てるのがよくわかるぞ? そんなに気持ちいいか?」 「……くそっ……ケツマンコの収縮圧で亀頭が破裂しそうだ……はぁ、はぁ……」 「ふふふ、どうだ、オレのセックスは? もう、いきそうなんじゃないか?」 「はぁ、はぁ……まだだ」 「そうか? じゃあ、少し本気を出すか……」 ソラは、さらに腰を沈めた。 ず、ずずずずっ……。 「うっ……うううっ」 肉棒をケツ膣の最奥まで誘い、キュッ、キュッと亀頭の締め付けにかかる。 そして、大きく円を描くようにくねくねと腰を使い、野菜を収穫するように、ペニスを根元からもぎ取ろうと捻り込む。 カイトは、歯を食いしばるが快感に抗えない。 「や、やばいっ……ううっ……もう我慢出来ねぇ……ちくしょう……い、いくっ」 と、その時。 カイトの目の前に、ぱあっと景色が開けた。 「何処だ? ここは?」 カイトは、一人歩き出す。 暖かい。そして、何て気持ちが良い場所なんだ……。 一面の花畑。 爽やかな甘い匂いが漂う。 風に揺れる草木。 そして、蜜を吸いにくる昆虫、可愛い声でさえずる鳥、若葉で遊ぶ小動物。 生命の喜びに満ちた癒しの空間がそこに有った。 カイトは、優しさに包まれ、幸せな気分に浸った。 「ああ、自然と穏やかな気持ちになる……訳がわかんねぇ。こんなん心地よくてずっとここに居たくなる。ここを離れたくねぇ……」 カイトの独り言に誰かが反応した。 「ふふふ、でも、もう戻って来い」 「え?」 ハッとして目を見開く。 すると、目の前には、口を半開きにしたソラの顔。 既にイキそうな面持ちで、体をピクピクッ、と震わせている。 「……カイト、オレもいきそうだ……一緒に」 「ううっ……くそっ……俺も射精寸前かよ……止まんねぇ」 「あっ、ああーっ!」 二人の男は同時に絶頂を迎えた。 ソラは、ぐったりとするカイトを見下ろして言った。 「どうだった? カイト」 「悪くない……」 カイトは素直に感想を述べた。 ソラは、アゴを突きだしてそれに返す。 「だろ? オレのセックスはな……」 「はいはい、どうせ尊敬するあの人に抱かれてってやつだろ?」 「そういう事だ」 ソラは、腰に手を当て満足そうに頷いた。
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