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西寺さんは、そんな私の肩を、優しく叩いた。
「オーナーは、優奈ちゃんのこと大好きだから大丈夫だよ!!
あの人は……それが分かってるから、気に食わないだけだよ。
優奈ちゃんが働き出す前に、取り引き先の社長の娘だからって、最初は、別れてからも、お父さんにワガママ言ったりしてたみたいだけど……オーナーは、その度に、謝りに言って、お父さんも、オーナーの気持ち理解してくれたみたいだから、それからは、お店への嫌がらせは、なくなったけどね……。」
「……そうなんですか?
お店に嫌がらせまでしてたんですか?」
「そう。
凄かったよ。
ガラの悪い客を送り込んだり、納品されるはずの商品が納品されなかったりね……。」
「そうなんだ……。
瑞希さん、いろいろ大変だったんですね。
さっき、酷いこと言っちゃった。」
私は、そう言って溜め息をついた。
「酷いことって?」
「何で、毎日、来るの?
別れてるなら、何で冷たくしてくれないの?って……毎日、美咲さんの嫌がらせばっかで……もう嫌だよ!って……。
瑞希さんも、ずっと辛かったはずなのに……私には、何も言わないから……。」
私は、そう言うと泣き出してしまった。
「大丈夫だよ……。
オーナーは、優奈ちゃんに心配かけたくなかっただけだと思うしね。
だから、優奈ちゃんが気にする事はないよ。
今、お客さんいないし、少し落ちつくまで休んでて……。」
西寺さんは、そう言って、また、私の肩を、優しく叩いた。
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