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私が、店内の最終点検をしてたら、瑞希さんが来た。
「お疲れ様、優奈。」
「あっ…瑞希さん、お疲れ様。」
私が、そう言うと、瑞希さんは、私を後ろから、抱き締めてきた。
「…今日、店に戻ってからも泣いてたんだって?」
「えっ?誰から聞いたの?」
私は、驚いて、瑞希さんの方に向いた。
「…西寺さん…。
彼女が休憩中に、休憩室で、少し怒られた…。
『別れた彼女のワガママのせいで、一番大事な優奈ちゃんを傷つけないでください!
優奈ちゃん、さっき、泣いてましたよ。』って…。
ごめんな…。
俺が、アイツに強く言えないばっかりに、優奈に辛い想いをさせてしまって…。」
瑞希さんは、そう言って、私を、優しく抱き締めてくれた。
私は、そんな瑞希さんの胸に、顔を埋めた。
「…仕方ないよ…。
私も…西寺さんから…聞いた。
あの人から…ついこの間まで、いろいろ嫌がらせされてた!って…。
瑞希さんが悪い訳じゃないし…あの人も…瑞希さんの事、ずっと好きで、私に取られた事が許せないんだと思うから…。」
「…そうかもな…。
でも…別れたのは、優奈と出会う前だからな。
しかも、理由は、アイツの浮気だし…。
けど、別れ話をしたら、その相手と別れて…やり直したい!って…。
意味が分かんなかったし…俺的には、無理だったから、そのまま別れたけど…お得意様の社長の娘だし…今後、毎日、家に行ってもいいなら、店への嫌がらせはしない……って言ってくれて…。
それが…優奈を傷つけてるのは分かってるのに、ごめん…。」
瑞希さんは、そう話しながら、私の頭を撫でてくれた。
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