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私は、そんな瑞希さんに、ギュッ……ってしがみついた。
「……瑞希さんは、何も悪くないよ……。
今、ずっと一緒にいられるのは、私だもん……。
これ以上、ワガママ言って、瑞希さんを困らせるの嫌だ……んんっ……から……んんっ……。」
瑞希さんは、私の言葉を遮るようにキスしてきた。
「優奈……お前は、もうちょい、ワガママ言ってくれていいよ。
てか、辛い時も、体調悪い時も、あんまり言わないし、ちゃんと言って欲しい……。
今日みたいに、泣くくらいひどくなってからじゃなくてさ……。」
瑞希さんは、そう言うと、私の顔をじっと見つめながら、優しく、頭を撫でてくれた。
「うん。分かった…。」
私は、そう言って、瑞希さんの胸に顔を埋めた。
「優奈……片付けは、終わったのか?」
「あっ……うん。
ちょうど、瑞希さんが来た時に、終わって、最終点検してたとこ……。」
「そっか。
なら、店の戸締りだけ確認して、帰ろう。」
「うん。」
私が頷くと、瑞希さんは、私の手を握り締めると、私の手を引いたまま、一緒にお店の玄関とバルコニーの入り口ドアと窓の戸締まりを確認した。
「よし。
戸締まり、大丈夫だな……。
早く帰るぞ。
店の中じゃ、キスが……限界……。
早く……優奈を抱きたい……。」
瑞希さんは、そう言って、イタズラな笑みを浮かべた。
「……えぇぇ……もう……。
瑞希さんたら……。」
私は、そう言って、顔を真っ赤にしながら、瑞希さんの腕にしがみついた。
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