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私と瑞希さんは、事務所を通って、奥の階段を上がって、瑞希さんの家に帰った。
「……何回通っても、2階に上がると、この階段までの通路が迷っちゃうんだよね……。」
私は、そう言って、溜息をついた。
「……たまに、俺も迷う……。」
瑞希さんは、そう言って、苦笑いした。
「えっ?瑞希さんも!?
自分の家なのに?」
私は、そう言って、クスッと笑った。
「たまにだって言ってんだろ?
疲れてると、自分の部屋か螺旋階段に繋がる通路か、店に繋がる通路か分かんなくなるんだよ……。」
「……瑞希さん……お店に出ながら、オーナーの仕事もしてるもんね……。
あと……美咲さんの相手も……。
働きすぎだよ。」
「美咲の相手……って、俺が浮気してるみたいに言うなよ……。」
瑞希さんは、そう言うと、少し寂しそうな顔をした。
「ごめん……。
そういうわけじゃなくて……。 」
私は、そう言って、瑞希さんに抱きついた。
「大丈夫……分かってるよ。
心配してくれてるんだよな……。
……そろそろ……アイツにも、ちゃんと、言わなきゃな……。」
瑞希さんは、そう言って、遠くを見つめた。
「えっ……?どういうこと?」
「……俺が、大事に想ってるのは、優奈だし、結婚したいと思ってるってこと……。」
瑞希さんは、そう言って、顔を赤くした。
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