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瑞希さんは、美咲さんの手を離して、私の肩を抱いた。
「美咲、いい加減にしろ!!
今日も、優奈に嫌がらせしたそうじゃないか。
気に食わないなら、俺に言えよ!!
優奈は、何も悪くないだろ!!」
瑞希さんは、そう言って、美咲さんを睨みつけた。
美咲さんは、目に涙を浮かべた。
「だって……私は、ずっと、瑞希とやり直したい!って言ってたじゃない!!
なのに……この子が、急に現れて、私から、瑞希を奪ったんじゃない!!」
「何言ってんだよ!!
俺は、お前が、浮気した時点で、もうやり直す気なかったよ。
けど、別れたら、店に嫌がらせしてくるし、毎日、家に来てもいいなら、嫌がらせをやめる……って言うから、許してただけだろ!!」
瑞希さんは、いつもの優しい話し方じゃなく、少し怒った声で言った。
そしたら、美咲さんは、その場に泣き崩れた。
「……何でよ……。
何で、やり直してくれないのよ。
私は……瑞希ナシじゃ生きていけないのに……。」
「それをダメにしたのは、自業自得だろ!!
俺が、今、大事なのは、優奈だ。
優奈も、高校を卒業したし、そろそろ結婚も考えてる。
頼むから、もう、邪魔をしないでくれ……。」
瑞希さんが、そう言うと、美咲さんは、驚いた顔で、瑞希さんを見上げた。
「……えっ……?!瑞希……この子と結婚するの?」
「そうだよ。
だから、もう、この家にも、来ないで欲しい……。
俺に会いたきゃ、店のお客様として、他のお客様に迷惑がないように来てくれ……。
もう……優奈に不安な想いをさせたくないんだよ……。」
瑞希さんが、そう言うと、美咲さんは、泣きながら、立ち上がって、瑞希さんに抱きついた。
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