メゾン ド 琥珀

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可愛い顔。と三谷さんは言ったけど、そんなもんじゃない。すごく整った、綺麗な顔だ。何ならテレビに出れそうなくらい。 何でこんなところで働いてるの? と言葉が出そうになった時、後ろから工場長が現れた。 「お、高田、初対面かな?前に言った琥珀ちゃんだ。お前の方が少し先輩だからな。色々教えてあげてくれよな。」 工場長は、いかにも優しく高田君に声をかけた。 その後に私が見かけた高田君は、びっくりするほど暗い表情になっていて 「はい。」 と言った声も、機械音にかき消されてしまいそうに小さいものだった。 どうしても気になった私は、こっそりパートの三谷さんのところに行くと 「三谷さん、高田君チェックしてきました。」 と子分のように報告した。 「変な子だったでしょ?」 と返ってきたので 「変ていうか、工場長にパワハラでもされてるんですか?」 と聞いてしまった。 三谷さんは少し笑って 「いいえ。むしろ工場長は気を遣って優しいくらいよ。なんだかここに入社してきた時から暗いのよね。何か訳ありな子なのかしら。お昼休憩も、みんなとずれてとってるのよ。」 と言った。 訳あり。 何となく納得できた。 でも、あんなに綺麗で爽やかな笑顔ができるのに、どうしてそうなちゃったのかしら。と私は何だかモヤモヤを一つ抱え込んだような気持ちだった。 聞けば高田君は私の3つ年下で、私の弟と同じ歳だという。
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