おしゃべり。

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おしゃべり。

 今年の夏、マジで怖い体験をしたので聴いて欲しい。正直、何もかも答えがわからなかったからこそ怖いっていうのはあるので、詳細の解説は求めないでくれると助かる。というか、未だに動揺しまくってるので、あんまり詳しく語れる自信もない。  うっかり推しに貢ぎすぎて金欠になっちゃった大学生の俺は(いやだって、ここ最近“決闘王”のグッズ供給ヤバすぎたんだよ!女の子キャラのフィギュアが出るとか思わないしキーホルダーもマジかわだったし!!)、これはまずいと思ってアルバイトをすることにした。ところがどっこい、俺はコミュ障ぼっちのオタク。ついでに体力もない。接客業も工場の作業もできる自信はまったくなかった。かといって、ホームページ作ったりとかデザインをやる技量もないし。  そんな俺でもできる簡単で、それなりに稼げるアルバイトないかな、と探していた俺が見つけたのは、とある印刷会社でのバイト募集だった。  その内容が、“簡単なペットのお世話”。最近は会社で動物を飼っているようなところもあるし、そういうアルバイト募集があってもおかしくはないだろう。  犬や猫なら好きだし、知識のある人がきちんと指示出してくれるなら俺にもできるかもしれない。期間は一週間の短期で、しかも給料が一日一万円っていう超破格だ。しかも交通費は上限ナシで全額支給ときている。  これはやるしかねえ!と思った。夏のアルバイトというとちょっと嫌な都市伝説もあるけど(リゾートバイトはマジ勘弁だ)、幸い泊まり込みってわけでもないし怪しい民宿でのバイトでもない。とりあえず、面接に応募するのに全然躊躇いはなかった。  今思うと、話が上手すぎる、ともっと疑うべきだったんだろうけどな。
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