24人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
***
あたしのパパは、大手化粧品メーカー<プリンセス>で役員をしている。
いつも夜遅く帰ってきて、土日も仕事するくらい忙しい人だけれど、いつもあたし達家族のことを考えていてくれる完璧なパパだ。
やさしくてかっこよくて、ママとあたしのことを愛してくれる自慢のパパ。
パパみたいな人と結婚したいと、18になった今も本気で思っている。
小学校2年の時、そんなパパがあたしにあるお願い事をしてきた。
あたし達の住むマンションに新しく引っ越して来る男の子がいるから、仲良くしてあげてほしいというものだった。
クラスは違うけど同じ学校に通っていて、同級生らしい。
その子がひとりで引っ越しして来ること、家族は一緒ではないけれど、そのことに触れないことを約束させられた。
あたしは意味がよくわからなかったけれど、特に考えずにわかった、と答えた気がする。
両親がその子の歓迎パーティーを開くと言うので、あたしは部屋の飾りつけや料理のお手伝いをして、いつもよりおめかしをして出迎えた。
最初のコメントを投稿しよう!