24人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
2、あたしのことどう思ってる?
「どうして遼くんがここにいるの!」
ちょっと来てというと、あっさり彼はついてきてくれた。
ホールを出て廊下を進むと人気のないスペースに出る。
本当にまわりに誰もいないか注意深く確認した後、あたしは腕を組んで振り返ると背の高い彼を見上げた。
「だって、まゆちゃんがここの大学行くって聞いたから」
彼は当然のような顔をしてそう答えた。
やっぱり誰かから聞いていたんだ。
まあ、毎日遼くんと一緒にいるはずの村崎があたしの引越しの手伝いをしてくれたって時点で、知ってるんだろうなとは思ってたんだけど。
「そういうことじゃなくて。遼くんT大受かったんじゃなかったの?なんでここの入学式にいるのよ」
そう言うと、彼は何を言ってるんだと言わんばかりにバカにした目を向けてきた。
「それは、ここの大学に入るからだろ」
「はあぁっ?」
最初のコメントを投稿しよう!