2、あたしのことどう思ってる?

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急に女の人の声が聞こえて、あたしは慌てて口を押さえた。 スーツ姿のそのお姉さんは、おそらく先程ホールの入口で見かけた案内係のお姉さんだ。 時計を確認すると確かにもう開始1分前。 こんなとこでゆっくりしている暇はない。 「行くよ」   掴まれていた手を振りほどいて、今度は逆に彼の手をとった。 「…話、終わってない」   手を引いても彼は歩き出そうとしなかった。 いくらひっぱっても女のあたしじゃ遼くんに敵うはずがない。 もうすぐ入学式が始まってしまうと言うのに、わがままなやつ。   …はぁ、とあたしはため息をつく。 「ちゃんと、入学式の後、話すから」   そう言うと、遼くんはしぶしぶといった様子で頷いてくれた。
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