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「じゃあ、どうして勝手にここ受験したの」
「か、勝手に別の大学受験したの遼くんの方じゃん!」
遼くんの身勝手な言葉にかっとなったあたしはそう叫んでいた。
そう、あたしは悪くない。
遼くんが勝手にT大受けたから、あたしも清大を黙って受けただけだ。
「俺は受けただけ。行くつもりだったわけじゃないし」
遼くんは最後の一口を食べてからなんでもないことのようにそう言った。
「え」
「だって、先生達が受けろってうるさかったし」
それは知ってる。遼くんは勉強の面でも完璧だったから、先生達にも期待されていて、いい大学に行くのを望まれていた。
でも、だからって、そのためだけに受けたって言うの?行く気もないのに?
「俺は、ずっとまゆちゃんと一緒にいるつもりだったよ」
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