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「ちょ、遼くん!?」
遼くんはあたしのことをじっと見下ろしながら、シャツに手をかけた。
ひとつひとつ丁寧にシャツのボタンが外されていく。
「なにしてんの、ちょっと村崎!止めなさいよ!!」
このままだと脱がされてしまう。
貞操の危機を感じそう叫ぶも村崎の姿が見当たらない。
「村崎ならさっき出てったよ。あいつは使えるやつだから」
…あたしにとっては全然使えないわよ!!
「ひゃっ」
素肌に直接遼くんの手のぬくもりを感じ思わず声が漏れてしまう――と。遼くんが面白そうに目を細めて笑った。
「なにその声、かわいい」
ああもう、ほんとばか!!
そんな遼くんにさえときめいてしまう自分が情けない。
「俺、これを確かめたかっただけなんだけど」
そう言って遼くんが指し示したのは、あたしがネックレスチェーンに通して持ち歩いていたあのリングだった。
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