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「ふーん。じゃあ、これはもういらないね。捨てなきゃ」
すると遼くんは冷たく笑ってあたしの首の後ろに手を回した。
ネックレスチェーンごと指輪をとる気なんだ。
「あっ…だめっ」
思わずリングを掴んだあたしを遼くんは笑う。
「ほら。やっぱそれ欲しいんじゃん」
もう負けだ。この人にこんな風に追い詰められて、勝てる人間なんているわけない。
「俺、まゆちゃんのこと好きだよ。まゆちゃんだって、俺のこと好きでしょ?」
ずっと欲しかった遼くんからの「好き」って言葉。
なのになんでだろう。素直に認めたくないのは。
あたしは顔を真っ赤にしたまま顔をそむけた。
「好きなんかじゃ、ないもん…」
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