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そんなあたしに遼くんはまたしても笑って。
「まゆちゃん、こっちむいて。俺の目見て言って」
言えないこと、わかってるくせに。
仕方なく遼くんの方を見ると、思ったより遼くんの顔が近くにあった。
驚く間もなく唇が重なる。
鼻をつままれ酸素を求めて口を開けるとそのまま遼くんの舌が入ってきて深いキスに変わった。
初めてのキスは、ほのかにチョコの香りがする、大人のキス。
「…あまい…」
やっと唇が離れてそう呟くと遼くんは笑った。
「ケーキ食べたばかりだからね」
意地の悪い笑みまでかっこいいと思ってしまうのだからもうどうしようもない。
仕方ないから、受け入れてあげようかな。
こんな最低わがまま男、付き合ってあげられるのなんてあたしくらいだろうし。
そっと目を閉じると、またやさしくてあまいキスが降ってきた。
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