2、あたしのことどう思ってる?

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*** 長いキスが終わって、やっと自由に息ができるようになった。 心臓の音が頭中に響いてうるさい。 あたしはなにも考えられないまま、いつも冷たい遼くんの目がめずらしく熱を持っている様子をじっと眺めていた。 遼くんが起き上ったのでそれに合わせて一緒に起き上がると、ソファの上で向き合うように座ったまま抱きしめられた。 ずっと小さい時から知っていたのに、こんなふうに抱きしめられるのは初めてだ。 しっかりした胸板に体を預けているのが心地よくて、遼くんのぬくもりがうれしくて、あたしはしあわせだった。 言葉なんていらないくらい満足して、しばらく無言のまま遼くんの体温を感じていたのだけれど、ふと気になって口を開いた。 「ねぇ、遼くん」 「ん?」   耳元で発せられる声にくすぐったさを感じ肩をすくめる。 「それじゃあ、この指輪の意味は…?」
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