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あの指輪のことだ。上品に小さなダイヤをちりばめた指輪は、誰がどう見てもただのプレゼントではなかった。
ママも「プロポーズに違いないわ!」とあたし以上にはしゃいでいたもの。
渡されたあの時は聞けなかった言葉を今聞きたい。
そう思ったあたしが甘かった。
「あぁ、それくらいした方がまゆちゃんも本気になるかなって」
……はぁ?
なに言ってんのこの人。
悪びれることもなく顔色一つ変えず言い放った遼くんをあたしは信じられずに見つめた。
それじゃあまるで、…
「本気じゃないの?」
「本気って?」
きょとん、とした様子で遼くんが首を傾げる。
男が首傾げても可愛くなんてないんだからね!
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