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「本気で結婚したいわけじゃないってことね?」
怒りを抑えながらそう訊くと、遼くんが笑う。
「あはは、なに言ってるのまゆちゃん。俺らまだ18歳だよ?」
笑って悟された。信じらんない。
そりゃまだ早いってあたしでもわかってるけど、でも、本気じゃないのにこんな本物の指輪渡すなんて悪趣味だ。
その気にさせておきながら、そんなふうに笑うなんてむかつく。
「あたし、帰る」
遼くんの腕の中から出て、ソファに置いてあった鞄をひったくるように掴むとドアを開ける。
「まゆちゃん、どうしたの?」
そうあたしを呼ぶ声が聞こえたけど、あたしは無視して自分の部屋に戻った。
もうあの男には騙されない!そう心に誓った。
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