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あの男への文句がヒートアップし出した頃、ちょうど注文した料理がテーブルに運ばれて来る。
一緒に料理を食べ始めたけれど、カナの「それで?」は止まらない。
「男の子には遼くんと付き合ってると思われて遠巻きにされるし、遼くんのことが好きな女の子には嫌がらせされるし、良いことなんてひとつもなかったんだよ」
「まあ、あのイケメンと一緒だったらそういう目にもあうよね」
あ、ここのパスタけっこうおいしい。という声が聞こえそうなほどカナの目が輝く。
「で、まゆかはあの人のことが好きなの?」
あたしがなかなかそう言わないからか、カナはド直球に訊いてきた。
むせそうになりながら、あたしは「別に」と答えた。
「そうなんだ。でも、あの人はまゆかのこと特別に思ってるみたいだったけど」
「…そうかな?」
しまった、ひっかかってしまった。
少し嬉しくなってしまったのがバレたようで、カナがにやりと笑う。
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