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「友達できたんだね」
「…うるさい」
今まで友達ができなかったのは遼くんのせいなのに、なんでこの男はこうも偉そうなのだろう。
「買い物って言ってくれたら車出したのに」
「嫌よ。それに車って遼くんが運転するわけでもないくせに」
「まゆちゃんが言うなら免許取ろうかな」
そう言う遼くんの手が、あたしの髪に触れた。
くるくると髪を弄びながら笑う。
「まゆちゃん、どんな車に乗りたい?」
「なんであたしが乗ること前提なの」
「一人で乗っても楽しくないでしょ」
誰か他の子と行けばいいでしょ、と言う言葉は口から出てこなかった。
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