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「遼くん、ただでさえ目立つんだから、あんまり話しかけてこないで」
「なんで?話せなかったら一緒にいる意味ないじゃん」
だから、一緒にいたら目立つから嫌だって言ってるんだけど。いや、はっきりとは言ってなかったっけ?わからなくなってきた。
「それより、まゆちゃん」
遼くんの手があたしの右手に重なる。
「指輪なんだから、手にはめなきゃ」
遼くんの視線を胸元に感じる。
首元まであるブラウスのおかげで見えないはずだけど、遼くんはそこにあるはずの指輪をはめろと言っているのだ。
「それこそ目立つから嫌」
「目立たせるために渡したんだから。まゆちゃんは俺のものってみんなに知らせないと」
不意にまっすぐな目で見つめられて、むかつくのにドキドキしてしまう。
遼くんのはただの所有欲。
なのに勘違いしてしまいそうになる。
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