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「あたしだけはめなきゃなんて、不公平でしょ」
思わず口からそんな言葉が漏れた。
「え…?」と遼くんが聞き返そうとした様子が見えたが、ちょうどオリエンテーションの開始時刻になる。
教壇の先生が話し始めて、周りも静かになった。
…ああもう、本当に最悪。
大学では平凡な日々を過ごすはずだったのに。
配布された資料に目を通しながら、先生の話を真面目に聞いているつもりでも、右隣に座るその人に気配に、あたしはずっと心を掻き乱されていた。
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