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(ど、どうしよう)
街燈に映し出されたその人は、男性の様だ。
白いTシャツにGパンをはいている。
白い肌をしているのに顔立ちはアジア系。
異様なのは髪も真っ白で、
整った目鼻立ちにうっすらと開けた瞳は
(真紅の目!)
アルビノの人だろうか。
だが、確か人間では真紅の瞳はないはずだ。
(そ、それよりも背中の傷!)
そう、彼は二つの肩甲骨の辺りから
血を流していた。
私は、結婚式で身に着けていたショールを
彼の傷口にあてて、なんとか体の前に回して
しばった。
そうして、彼が起き上がろうとしたので
彼の肩に手を回して支えた。
そして、
「しっかりして、歩ける?
私は羽鳥 るり。
とにかく私の家まで連れて行くね」
と言った。
彼は
「僕は僕は・・・天使だった」
彼は、力の入らない足を叱咤して
「僕は人間になった天使」
と告げた。
「しっかりして、意識が混濁しているの?
今私の家に着くからそれまでしゃべらなくて
いいからね」
彼はその言葉にうなずいて
足を動かした。
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