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シャワーを浴びてしまうと、ビジネスホテルではすることがなくなった。芝田はスマホでネットサーフィンをし、だらだらと時間を潰す。
そのうち心霊スポットを巡り歩き、現地の写真を公開することを趣味にしているサイトにたどり着いた。
掲載されている写真は、どれも汚泥にほど遠いものだった。
芝田は汚泥でなければわからない。汚泥以外の発露では無理だった。
そこに写る不可思議なものが、サイトの管理人が説明するような、過去の怨念が写りこんでしまったものなのか判断できない。
わからないから、のんびりと画面をのぞきこんでいた。
次々と管理人が公開している写真を眺めていると、そのなかにいくつか汚泥が写っているものがあった。
まだ訪れたことのない場所もいくつかあり、次はここに足を向けようかと考えていた芝田は、見覚えのある風景に思考が止まった。
キャプションには『心霊スポットに行った帰りに立ち寄った』とある。
芝田は無意識のうちに息を止めていた。
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