熱帯夜にエアコンの乾電池を買いに出る

5/7
前へ
/7ページ
次へ
朝になった。睡眠不足の脳みそに目覚まし時計代わりの濃いブラックコーヒーをお見舞いする。 「苦っ」 思わず顔を歪めたが、脳みそは徐々にカフェインの痺れを吸収し始めた。もう一度軽くシャワーを浴びる。そろそろ迎えに行く時間も近くなってきた。 俺は白いBMWに乗り込むと、橋の手前の信号を直進し橋を渡り下り坂に入った。 その途端、辺りが白く光った。 僕は、コンビニに着くと乾電池を探した。色々なサイズが置いてあったのですごく迷ったが、この位だったよなと自分を納得させるようにして決めると、念の為レジのお兄さんにエアコンの乾電池ってこれで良いのかを聞いてみた。返事は、分からないであった。 レジのお兄さんにちょっと待ってと言うと、慌てるようにアイスを選んで追加した。 外に出ると、またモワッとした。すかさずアイスを開封する。ビーナッツが散りばめられたチョコのコーティングが甘すぎて「オエッ」となった。 「なんだこのアイスは」 僕はアイスの甘さに苛立ちをを覚えた。と言っても、完食はしたが。   アパートに戻るとさっそくエアコンのリモコンに買ってきた乾電池を入れてみた。 カチッというように気持ちよく2つの窪みの中に収まった。 室外機が軽い唸りを上げるとエアコンから冷風が吹き出てきた。 「良かったあ」 僕は安堵感に満ちてすうーっと腰が抜けるように床に座り込んだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加