熱帯夜にエアコンの乾電池を買いに出る

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床に寝転んでボンヤリと天井を眺めていると、何かを忘れてるような気がして仕方がなかった。 「何か買い忘れたかな?」 僕は上半身を起こして部屋の中を雑に見渡した。 「うーん・・・・」 眉間にシワを寄せたりしてみたが、これといったものは無かった。 「物忘れかなあ。何か最近たまにあるよなあ」 陽の光が瞼の中を照らして朝になったことを告げた。いつの間にか眠ってしまってたようでカーテンも半分ほど開けたままだった。記憶には無いが天井の照明とテレビは何故か消していた。 俺は一つ背伸びをしてゆっくりと体を起こした。 カーテンを全開にしながら、どーも何かを忘れているような、そんな違和感が俺の記憶を辿らせる。 「あっ」 慌ててテレビのスイッチを押し、ほぼ同時にスマホの画面に目を向けた。 「やばっ」 急いで支度しないと。俺はクローゼットの扉を両手で開き、ハンガーに吊るされた服を乱雑に選び始めた。 何度も右から左へと何度も往復した。たまに左から右へと変えてみたりもした。 「・・・・無い」 慌ただしく動いていた手が止まり、俺は呆然と立ち尽くした。頭の中の情報が乱れて飛び交っているのが手に取るように分かる。
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