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消えた、初恋。
「タクムくん。きっと、きっと、『恩返し』をするから!」
「そんな大したことはしてないけど。でも小春がそういうなら、待ってるよ」
タクムくんが、私に向けてくれた笑顔。一日も忘れたことがない。
初めて会った日、私がおどろいて思わずキツネ耳を見せてしまった時。
彼は周りの人間に言いふらしたりしなかった。
あたしが、他の妖力を持つ子どもたちにバカにされてた時も助けてくれた。
『小春は、小春のままでいいんだよ』
そう、優しく言ってくれたタクムくん。
そんなタクムくんのために、一人前の先祖返りになると決めた。なのに。
「オレはお前なんて、知らねぇ」
……優しくて、おだやかだったはずのタクムくん。それが。
「それがどうして、こんないじわるな人になってしまったのおおぉぉっ!?」
神様、私の初恋(と初恋の人)、返してくださいいいぃぃっ!!
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