絶句 春夜side

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絶句 春夜side

今夜も来ないか…もう…会えないのか? 一年前、ゲイである叔父さんのこの店で一目惚れした彼は… 可愛い男ばかりを連れ帰る、節操無しのクソ野郎だった。 それなのに…忘れる事が出来なくて、当時付き合ってた彼女とも別れた。 男は抱いた事も抱かれた事も…ない。 もし彼が運命の相手ならば…抱く事も抱かれる事も厭わない。 ただ…彼にもその覚悟が出来ないのなら…遊びでは絶対嫌だ。 顔も名前もわからない相手ばかりだなんて、その中のひとりなんて絶対に嫌だ。 【春夜さん?そんな顔して…オオカミに攫われますよ?】 「うん、ねぇマスター…」 ここでは叔父さんとは呼ばないようにしている。マスターの身内だと知られると色々面倒だから。 【どうしました?】 「冬夜…いや、やっぱいい」 【春夜さん…好き…なんでしょう?】 「なん…で…」 【一年前ぐらいから、そんな色っぽい顔して考え込んで…トーヤくんがここに来出した頃です】 「バレてたか…隠してたのにな…一目惚れしたんだ。なのにアイツは節操無しのクソ野郎だった…無理だとわかってるのに、諦めきれなくて…」 【あなたが変えて差し上げたらいかがです?彼はきっと恋を知らないのでしょう。あの見た目です、寄ってくるばかりでしょうから】 確かに…ここでも… 【彼は誘われるばかりで自分から声をかけたのは…あなたが初めてかと…】 「……(春夜絶句)」 冬夜…そうなのか?
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