28人が本棚に入れています
本棚に追加
再会 冬夜side
カランカラン
【おや、トーヤくんいらっしゃい】
『マスター、久しぶり…あ゛〜忙しくて死にそうだった。美味いのちょうだい』
俺は久しぶりに、柔らかイケメンマスターの美味いカクテルに手を伸ばす。
【お疲れ様】
『幸せ…』
あとは、可愛い子見つけて…ベッドイン…
『…っ』
カウンターの反対側…初めてじゃないのに息が詰まる。
ー 春夜 ー
今夜も美しい男。
ポケットからタバコを取り出し火を付けながら、目を細める。
もう一ヶ月前か…
手元のタバコを見つめて、彼と出会った日に思いを馳せる。
ー 運命 ー
あれからずっと考えてた。
ただ欲を発散する為のセックスばかり、それで良かった。恋だの愛だのめんどくせぇ。
一生その人だけって無理だろ?絶対飽きる。たまにつまみ食いだって必要だ。
それに文句言われるぐらいなら、そんなの要らない。
けど、アイツなら?
いや、ナイナイ。
顔も性格も話し方も…この下半身も嫌って言われたな。全部自信あるんだけどな。
クス…初めてだな、こんなに気になるなんて。
にやけた顔を上げた瞬間、春夜と目が合う。
トキメキを隠そうと、タバコを持った手を挙げ挨拶した。
当然、無視…
くくっ…堪んないな。
最初のコメントを投稿しよう!