絶句 冬夜side

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絶句 冬夜side

クソクソクソクソ… あの顔、あの身体…欲しい… バチが当たったのか…今までの相手を蔑ろにして来た。 ヤルだけやって後は知らんぷり。顔も名前も… 目が合うだけで、欲しがられる俺が… 本当に欲しいものは手に入らない… 「三谷!三谷…おい!三谷冬夜!」 『あぁ?』 「どうした?昨夜は久々に飲みに行く〜って騒いでたじゃないか?」 『あぁ…』 「お前、あぁしか言ってないぞ?」 俺がゲイだと知っても仲良くしてくれる同期【片桐龍弥】だ。 『片桐…俺ってイケメン?』 「ぶはっ…三谷…お前ふざけんじゃねーぞ?社内の女子全て、いや老若男女問わずモテまくってるくせに…」 『だよな…』 「なんかあった?」 『俺の…顔も性格も話し方も…節操ない下半身も嫌いだって言われた』 「へぇ、そいつ面白いな。会ってみたい」 『めちゃくちゃ美人でさ…顔も身体も好みで…でも抱く方だった…』 「はは、お前と同じ側って事か。悲しい恋だな」 『恋?』 「お前…マジか…頬に書いてある。恋してて苦しいって」 『俺が…恋…?アイツに?』 「はぁ、お前もしかして初めてか?」 『こんな胸の痛みは…知らない…』 片桐は、マジで驚いた顔をした。 「お前…マジなんだな。じゃあ、この俺がアドバイスしてやる」 冬夜は藁にも縋る思いで片桐を見つめる。 「簡単な事だ、そんなに好きなら…」 『好き…なら?』 「お前が抱かれればいい、その覚悟が無いなら諦めるしかない」 『……(冬夜絶句)』 「だろ?向こうだって無理だとわかってるから、お前に嫌いだなんて言ったんじゃないのか?もしかしたら、お前にその覚悟があるのか試してるのかも?」 春夜…そうなのか?
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