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一年後の総合検診
そうこうするうちに、前回の総合検診から一年が経過し、また今年も検診を受けた。
血圧が低いのは通常運転。
胃ポリープはいつもあるが良性。
血液検査。これも実は例年指摘を受けており、どうせ貧血で引っかかるに違いない。まあそれは想定内なので、どうでも良い……というわけでもないのだろうが。
気になる目の検査は、視力はだいぶ落ちているものの、その場では前回指摘を受けた疾患についてはわからない。
結果がなかなか来ないまま一ヶ月ほど経過し、そう言えば眼科に行かなければなあと考えていた最中、勤務中に電話が入った。
「総合検診の結果見ていただけました?」
という不穏な電話だ。
その日メールが来ていたが、私はまだ内容を確認していなかった。
「えー羽未、大丈夫?」
「とりま聞いてみようよ」
うぞうとむぞうが心配する中、私は健康課の人の話に耳を傾ける。まさか目か。目なのか。
「貧血が前年より更にひどくなっています。既に治療を受けてらっしゃいますか?」
「――は」
貧血。
指摘されるのはわかっていたものの、わざわざ電話してくるほどに数値が悪いのか?
「肩こりや疲れやすさなど、自覚症状が出ていたりしませんか? つらくないですか?」
天使のように心配してくれる健康課のお姉さん。
「惚れてまうやろー」
「いい人ー!」
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