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人面魚を寿司屋で捌いて貰う件
釣竿に魚がかかった、かなりひきが強い。大物がかかったようだと期待したが、人面魚ではないか。
「人面魚?」
「違います、私は人魚です、人面魚では御座いません!」
「思い切り人面魚じゃん」
「自己紹介が遅れました。私はこの海底の海底に棲むエスメラルダと申します。お初に御目文字申しあげます」
てことはこの人面魚は海水の人面魚でメスなんだ。名前から外来種の雰囲気がするが、体つきは鯉のものに近い。外来種ということは在来種の生物を食べて生態系を狂わせる可能性があるかも知れない。
「寿司屋か料亭に持っていけば魚料理として捌いて貰えそうだけど、食べれるのかな?」
魚肉はどんな味がするのだろう、鰡? 鮪?鯛? 鰤? 肉質は? 海水魚独特の臭みはあるのか、寄生虫はいるの? 色々とわからないことだらけだ。
「お待ち下さい、私をあなた様のお宅に住まわせては貰えないでしょうか?」
「飼えというの?」
飼えるの? ていうか人面魚飼ってる人はいるの? 検索して調べてみた。
『人面犬の飼い主、ドッグカフェを人面犬の職場に』と出た。人面犬の影響でカフェは繁盛しているようだ。
「ねぇ、水族館で働いてみない?」
「なんですと? アトランティカの女王であるこの私に哺乳類の部下になって働けと?」
とんだ魚類だな、この子。
「しょうがない、うちにいていいわよ。でもどうしてうちに拘るの?」
「実は私、妊娠してるんです」
さすが魚類ね、メスが産卵してオスが精をかけるんだ。ちょっと待って、魚類ってたくさん卵を産む生存戦略なんだよね。人面魚を更に増やすっていうこと?
「大変な子育てになりそう」
了
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