八月の妹

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瑞希ちゃんは家庭の事情で、その年の夏休みにこの海沿いの町に引っ越してきたばかりで、彼女も友達がいなかったので、同じ境遇の私と瑞希ちゃんはすぐ仲良くなった。 四年生の夏の後、私が五年生の夏も、六年生の夏も、毎年のように瑞希ちゃんと遊んだ。 私も瑞希ちゃんもお互い一人っ子。夏休みの一か月だけ、期間限定の姉妹になるのだ。 特に瑞希ちゃんは、私のことを“お姉ちゃん”と呼び、慕ってくれた。 私もそんな瑞希ちゃんが可愛くて可愛くて、仕方なかった。 夏休みの期間だけ、お互いの家を行き来し、一緒に寝泊まりしたりもした。 そうそう。 シュシュといえば…なんだけど、母に頼んで瑞希ちゃんへのプレゼントを買ってもらったことがあった。 私が六年生の夏のある日。 海の家の仕事が休みだった母と、私と瑞希ちゃんの三人で、近くのショッピングモールに買い物に行った時のこと。 七月の終わりが誕生日の私。 少し前に、私の誕生日が七月末だと知った瑞希ちゃんから、誕生日プレゼントを貰ったことがあった。 から貰ったプレゼントがとても嬉しかった私は、お返しのために、母に頼んで瑞希ちゃんへのプレゼントを買うことにした。 瑞希ちゃんの誕生日は九月なので、一緒には祝えない。 そのため、私が海沿いのお婆ちゃんの家にいる間にどうしてもお祝いがしたかったのだ。 夜には瑞希ちゃんのお母さんが帰ってくるので、それまでには帰らなきゃいけない。 そのため、瑞希ちゃんと一緒に先にお昼ご飯を食べ、その後プレゼントを選ぶことになり、私の母を交えた三人でモール内で瑞希ちゃんへのプレゼントを探した。
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