少女の告白

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 そして私たちは手を組みました。地元ではあなたの目があるから、バレる可能性がある。だから東京に場所を移す必要がありました。  高山さんが探偵を使ってあの子の身辺を探った結果、三浦が浮上しました。三浦にあの子を襲わせるのが確実だろうと三浦と接触し、私と恋夏は東京へ向かいました。新幹線で移動したら防犯カメラに映像が残ってしまう。だから三浦をこっちに呼んで高山の車で東京まで行ったら、あの子はすでに家を出ていた。残念ながら行き先はわかりませんでした。  恋夏はすぐに三浦と関係を持ちました。彼女は愛されたかったんだと思います。モデルにならなくても、自分を愛してほしかった。親から得られなかった愛情を、男に求めたんだと思います。けれどよって来るのは三浦のような男ばかりでした。  しばらくすると恋夏はその可愛さを利用して街を行く女の子にモデルにならないと声をかけるようになりました。かつてモデルになりたいと夢見た自分と同じ子をスカウトし、三浦の事務所に連れて行くのが仕事でした。私の仕事は彼女たちへのお茶出しでした。そのお茶に何が入っていたのか、事務所で何があったのかは知りません。  恋夏が亡くなってから、私はさらにあの子を恨みました。あの子が家にいれば、恋夏がクスリを多用して亡くなることもなかった。だから私は恋夏の顔で、あの子に近づくことを選びました。きっと彼女は恋夏の顔を覚えていないだろうから。
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