少女の告白

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 八月は走るように駆け抜けていき、気づけば九月になっていた。昔はお盆を過ぎれば涼しくなったようだが、今はまだまだ夏の暑さを色濃く残している。  その証拠に、家に帰って飲むキンキンに冷えたビールは美味しい。 「で? 真夜中にビールを飲むのを生きがいにしてるってことが、イケメン先輩にバレて玉砕してきたのね」  女子高生失踪事件から一転、遺体遺棄事件に変わってバタバタしていた署内はようやく落ち着きを取り戻した。翔子たちも日常業務に戻ったところ、警視庁のイケメン先輩こと西園から電話があった。翔子たちが不在にしていたため、田村が対応して先ほどの発言に至る。 「玉砕も何も、当たってもいません」  東京は仕事をしに行っただけだ。当たる暇もなかった。 「本当にイケメン拝んできただけなの? もったいない。五十嵐なんてちゃっかり、彼女つくって帰って来たのに」 「は!? ちょっと!」  反射で田村に返してから、五十嵐を振り返る。五十嵐は肩をすくめて、 「将来的に一緒に暮らすことを考えてもらってる側です」 「将来的にって」  それは遠回しに結婚するってことじゃないの。 「麻木くんと同じですよ」  あぁと呟いて翔子は腰を下ろす。
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