少女の告白

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 恋夏の母親はよくテレビに出演していたが、瑞実やノブキたちの周囲は沈黙を貫いた。姉・寛子は瑞実逮捕の一報に大分ショックを受けていた。息子・司の幼馴染で娘のように思っていた瑞実だけに、自分がもっと声をかけておけばよかったと悔やんでいた。それも先月までのことで、九月に入ってからはボランティアを結成して何かをしようとしているらしい。ショックをいつまでも引きずらす、立ち直りの早いところが寛子の美点だ。 「そういえば拝島の甥っ子、県警入るの?」 「……はい?」  木原の問いに、翔子は目をぱちくりさせる。 「そう。入るの。入れるの」  田村は目をうっとりとさせ、顔の横で両手を重ねている。昭和の恋する乙女のようだ。 「司を?」 「だって、いないじゃない。中性的な容姿で頭も切れて、体毛が薄い男。多種多様っていうか、そういう人もいないことにはねぇ」 「頭の毛の薄い人間なら、掃いて捨てるほどいるけどな」 「単にイケメンを眺めたいだけじゃ……?」 「それもあるわね。五十嵐は他の女のものになっちゃったし。しばらく独身を貫く予定なら、不倫で懲戒処分とか心配しなくて済むし」  田村が上司としての本音をこぼす。
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