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秘密、まだこのままで
はぁ……、今のはボロが出ちゃったな。
杏ちゃんのためにもこの秘密は絶対にバレちゃいけないのに。
あたしの秘密が杏ちゃんにバレたら怒られちゃうかな?
うーん、でも杏ちゃんには何が何でも今は言えないし……。
逆に杏ちゃんに秘密のことを言ったら杏ちゃんがガッカリするかもしれない。
杏ちゃんをそんな気持ちにはさせたくない。
だからまだ、秘密のままにしておこう。
いつか話せるときになったら、その時はちゃんと杏ちゃんに言おう。
それでいいんだ、それで……。
あたしは机の上に置いてあった筆箱をカバンの中にしまう。
教室を出るときにようやく、席を立って帰ろうとした颯太と目が合った。
颯太は何故か不安そうにこちらを見ている。
颯太は結構、人の変化に敏感だから私の様子を見て心配になったのだろう。
あたしは何事もないように、颯太に向けて笑顔を向けて、杏ちゃんのところへ向かった。
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